木
”最初は2本在りました。
でも1本切り取られ、
残った1本はしばらくずっと在りました。
花は枯れ、
草地はコンクリートになりました。
残された木はまだそこに在ります。”
「 すきな場所 」
わたしがこの場所を”居場所”にし始めたのは、
幼稚園の頃から。
そこでわたしは2本の木に一目惚れしたのだけど
1本になってからは、その木を自分と重ねて見てました。
草地も無くなってからは、誰もその木で休む人は居なくなりました。
わたしも大きくなり、遠くに出ることに。
離れてしばらくは、その木のことは忘れてました。
たまに思い出しては恋しくてその木を描いて・・・。
わたしも疲れて、
久しぶりにその場所へ帰ったのだけど・・・ごめんね。
木は・・・在りませんでした。
でもわたしはいつもの場所に立ってみました。
そこから観える景色は何も変わることなく、
残された美しさは、枯れた心に水をくれました。
その木はもう居ないけど、木がくれた最後のプレゼント、
大切に守っていきたい。
ありがとう。